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ハブ&スポークとその限界 [雑感]

「JR西日本の事故について、いまさら考えてみる」にコメントしようとして、長くなったので、一番書きたかった部分をちょっとふくらませてみた。

ちなみに、事故は痛ましいと思うし、何とかならんかったのかなとも思うが、元関西人としては、この間までローカル線、関東では南武線や横浜線みたいなところをいきなり山の手線みたいな充実した路線にゃあできんだろう、と思っています。現に、新型ATSも今年には設置予定だったんだし。

さて。
表題について、海外旅行マニアとかならご存じだろうし、ついこの間までのICN,HKG(CLK),KULなどの新空港の開港の度に言われていたから、なんとなく分かっている人も多いと思う。
もとは、アメリカ系航空会社が国内線の運行で始めた編制。その航空会社でほぼ独占できるハブ空港(NWあたりならミネアポリスなど)を用意し、その航空会社のローカル線をほぼ同じ時間にその空港に到着させる、そして、乗り換えを行ったらほぼ同じ時間にハブ空港からローカル空港に出発させる。そうすることで、実際の運行本数以上に1回の乗り換えで済む、見かけ上の各方面路線を造り出すことが出来る。同じ運行方式は国際線でもやっていて、UAやNWは成田をHUB空港として利用している。午後一くらいに第1ターミナルにUAやNWの機体が一杯な光景は有名だ。

で、今回事故の起こった福知山線、というか、東海道線なども含めた「アーバンネットワーク」でやっていたのが、このハブ&スポーク的な編制。とくに、尼崎は、大阪と並んで重要なハブ駅となっている。
新三田、宝塚方面からの列車は尼崎駅で、大阪・京都方面に行く東海道線と、北新地・松井山手方面に行く東西線・片町線とに分かれる。本数はほぼ半々。
明石、神戸方面から来た列車も、同様に東海道線と東西線とに尼崎で分かれる。
そこで、この両者を尼崎で調整してちょうどの乗り入れするようにして、尼崎をハブにして見かけ上の本数を増やすようにしている。

そうでないと、本来の行き先の列車だけにしてしまうと、東西線開通時に本数が半分近くに減ってしまって、サービス向上どころか、一気にJR離れが起きかねなかった。

で、報道で「時間通りに着かないと」というプレッシャーがあったのは、単に尼崎駅だけでの乗り継ぎでなく、近郊路線のダイヤ全般に影響が出かねないというのもあったんじゃないかなと思っています。そこで「それでも安全が第一だから、遅れてもしょうがない」とハラ座るには、若くて能力がない「いいひと」だったんだよなぁ、きっと。

最初に例で挙げた飛行機のハブ&スポークについても、1本遅れたせいで、乗り継ぎのフライト全部にディレイが発生、場合によってはフライトキャンセルや他社への振り替えになることがまれではない。
さらに、アメリカ国内でも、737や717クラスの小型機を大量導入して、目的地の第二空港間の単純往復でコストダウンをはかった新興航空会社に食われている。

せめて、当初の構想通り、福知山線は必ず東西線から片町線に抜けるという風になっていたら、ちょっとは結果は違っていたんだろうか。


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